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初夏の旭山八十八か所巡り (2007/04/20)

地蔵とかたくり

 動物園のある旭山にはまだ自然が残っています。八十八か所めぐりで旭山の自然を楽しみませんか。
 全国的に有名になった旭山動物園ですが,隣接する旭山公園は旭川にとっては桜の名所です。今でもゴールデンウィーク後の桜シーズンには夜桜まつりが開かれ,桜がライトアップされます。あちこちでブルーシートが広げられ,北海道独特の「桜にジンギスカン」のパーティが繰り広げられます。
 そんな旭山のふもとから山すそをまわるように八十八体の地蔵が配置されているのをご存知でしょうか。あまり信心のない私ですが,この地蔵を巡っていくと旭山の初夏の自然を楽しむことができます。

エゾエンゴサク

ニリンソウ

オオバナノエンレイソウ
 八十八か所巡りは旭山ふもとの旭山寺から始まります。 お寺の横から山の上を目指します。お寺を出たら,桜の木が植栽された広場を左に見て,ゆっくりと登っていきます。車道に出ると赤いお堂「立木大師堂」があります。 その向かいには「藤田旭山(きょくざん)」の句碑があります。この句碑の後ろには大きな白いキタコブシの花が咲きます。車道を横切ってお堂の横から山道に入ります。ここからはカタクリやニリンソウ,エゾエンゴサクの大群落です。清水橋細い道を少し下って,赤く塗られた小さな鉄の橋(清水橋)を渡って,右には行かずに,左側のがけ沿いに登っていきます。ちょっとした登山気分ですが,とっても緩やかです。
 カタクリやオオバナノエンレイソウ,湿地にはザゼンソウなどが見られます。エンレイソウは延齢草とも書くそうで,寿命の長い草だそうです。遠くから旭山動物園の遊具の音が聞こえてきます。真っ白なエンレイソウやきちんと修行しているザゼンソウを捜しながら,「よしよし,お前が一番じゃ」と呟くと,仙人になれます。そうそう,お地蔵さんを忘れずに。
 左手の遊園地の音を聞きながら山道をゆっくりと登っていきます。昨年の秋に枯れたツルアジサイが光に透けてきれいなのにも出会います。東旭川の田んぼが見えると,右はテレビの送信所へ左は下を回っていく分岐路があります。送信所からの眺めはどってことないので,地蔵さんのある左に行きます。
 地蔵さんを辿って左に東旭川の米どころを,今年も豊作と願いながら歩いていくと,この道の最大の傾斜にぶつかります。稲荷金毘羅神社階段になっていますので,ゆっくりと昇ります。昇りきると広場になっていて,古びた稲荷金毘羅神社の祠や四阿(あずまや)や碑があります。旭山に軍の碑が多いのは神社略記で納得。旭山はここの桜が一番です。高いところにあるので宴会目的の人は来てませんし,360度桜を眺められます。
 その広場でちょっと休憩したら,車道から帰るのでなく,さらに山道を進みます。数回折れる道をゆっくりと行くと,カタクリやニリンソウの咲く広場に出ます。小鳥やリスも時折歓迎してくれます。一面の桃色を右手にゆっくりおりると旭山寺が見え,右手に最終の地蔵が祀ってある小さな祠があります。ここでお地蔵さんを拝んで,終わりです。水芭蕉の咲く小川を渡って元の道に戻ります。
旭山略図 2.2kmだそうですから,ゆっくり回って1時間強くらいでしょうか。時折中学生がトレーニングでこの道を走っていますが多分15分くらいでまわってるんでしょう。だらだら歩き健康法,自然眺める癒しにはなりますので,是非行ってみてください。上の広場に駐車できますので,動物園の混雑を尻目に上がって行ってください。
 さて,旭山にもうひとつの顔があります。動物園に隣接する三浦庭園です。動物園のらくだの後ろあたりになると思いますが,大きな池のある私設の自然庭園です。睡蓮がとてもきれいです。お茶とお茶菓子つきで入園料300円の筈です。実に静かなところです。睡蓮のきれいなのは6月中旬でしょうか。ここも是非訪れてください。
嶋福朗記者)

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