リゾートホテルの朝は遅い。夜はドレスアップした男女が、お酒を飲み、会話やゲーム、ライブコンサートを楽しむ。30年前なら、お洒落でもしてバーのカウンターに座り、カクテルでも飲んでいたかもしれないが、頭部が薄くなってきたオジサンには、眩しすぎてついていけない。それでも寝たのは12時をもう疾うに過ぎていた。
習慣とは恐ろしいもので、何時もどおり4時には目が覚めてしまう。取りあえずは朝風呂へ。温泉宿だと私のようなオジサンが一人や二人入っているものだが、ここはリゾートホテル、誰も入ってこない。あんなにたくさんの人が泊まっているのにまだ寝ているのだ。
風呂から上がり散歩に出かけてみた。ここはパークゴルフ場、アーチェリー、テニスコート等が森の中に散在している。カッコウの声を聞きながら、ゆっくりと散策する。空気が美味くてとっても気持ちがいい。「こんな素晴らしい環境をなんとしても子孫に残さなくてはいけない」と急に国連環境大使のような使命感に燃えてきたが、起伏のある散歩道は体脂肪も十分燃やしてくれたようでお腹もすいてきた。朝食は7時半。まだ一時間以上もある。トホホ。
朝食も昨夜と同じバイキング形式。メニューは朝食バージョンへと変わる。しかしそこには大きな誘惑が待ちうけてた。なんと朝からビールが飲み放題ではないか。のん兵衛にはこたえられないシチュエーションがセットされているとは。しかし今回のメインイベント乗馬体験が後に控えているので、幹事からも厳しくお酒は飲まないようにと通達があった。もちろん飲みたい素振りなど微塵も見せず、ウーロン茶をガブガブ飲んだ。不味かった。
ジャック氏
乗馬体験コースはバスで数分で行けるようなところだった。ジャックと名のる40歳位の男が、カウボーイハットにラングラージーンズ、ダンガリーシャツにウェスタンブーツというお約束スタイルで登場。説明を聞いていると、どうやら四、五人のグループに分かれて乗るらしい。誰かが歩いて馬を引っ張ってくれるものと思っていたら、単独で乗るようだ。一抹の不安がよぎる。もちろんそんな気持ち、外にはここでも微塵も出さない。まわりを見渡す。「おかしい」。あいわプリントの社員には一人も乗馬体験者がいなかったはずなのに、不安を口にする者は数人だ。今流行の「ジョウバ」に乗ったことがあったってだめなのだ。そんな体験なら私でもある。開き直るしかないのか。
時は否応なしに流れる。馬の乗り方、手綱の持ち方、進み方、止まり方、曲がり方、停止中の対応等を教わり、第一陣が出発。似合う人、馬に遊ばれている人、様々だがみんないい顔して乗っている。コースは馬術場みたいなところかと思っていたが、獣道みたいな所も通る野趣溢れるコースだ。15分位の乗馬体験だったが、他にも川を渡ったりする1時間コースもあるらしい。終わってみるとモット乗っていたかった。そんなものである。
ところで、この体験中ひっきりなしに馬の組み合わせが変わった。どうやら相性があるらしい。馬が合わないとは、ここから来たのかと納得した次第。
ホテルに戻り、昼食前に軽く運動。バスケット、バレー、卓球等、普段見ることの出来ない、みんなの姿を見ることが出来た。そしてここでもビールの誘惑。でも会社から自宅までは車で帰るので、もう飲むことは出来ない。数年前までは、昼食までビールを飲んでいたものだが、今はもうそんなことは許されることではない。
最後の見学地「柳月スイートピアガーデン」に着く。旭川では西武デパートでここのお菓子は購入できるらしい。そこで、ここでしか買えない物を聞いて3つほど買う。その一つのロールケーキ。開けてみて先ずビックリ、カステラ地にポツポツとカビみたいものが付着している。なんだこれと思ったら、生地に黒ゴマをまぶしてあるのだ。紛らわしい事をするものだ。一口、口に運ぶ。生クリームが異常に硬い。これはここの生クリームの特徴なのだろうか、不思議な味のロールケーキだった。おそらく旭川の店頭には並ばない一品だろう。買って良かったのか悪かったのか分からなくなった。
糠平湖、層雲峡を経由して帰路に着く。今年の社員旅行も無事終了した。幹事さん本当にご苦労さまでした。
そんなわけで、北海道の夏を満喫旅行は終了。弊社の雰囲気を伝えることも兼ね、サホロ旅行を紹介させて頂いた。来週からは、又身近なところに目を向け、旭川、北海道の良さ、そして新しい価値観を探す旅に出発することにしたいと思う。