今回は元町にあるハム・ソーセージの店レイモンハウス元町店とその周辺をポイントに歩いてみようと、駅前から出発。てくてく電車が走る海峡通りを西へ歩いて行った。
線路のある町並みはそれだけで絵になる。電車が走り抜ける音は、慌しい毎日に心落ち着く歴史のリズムを刻んでくれる。最新型の電車も走っていたが、カラーリングもスタイルも真新しくて、今の函館の街の雰囲気には合わないんじゃないかなー。
海峡通りにも所々に歴史を感じさせる建物があり、往時を忍ばせてくれる。十字街電停の交差点では、カメラを持った集団が、一斉にこちらに向かってレンズを向けて来るもんだから、一瞬僕らがモデル? と思ったが、そんな訳があるはずなく、レンズを向けた方向には、西陽に映える路面電車が一定のリズムで走り去って行くのであった。歴史を感じさせる大時計が時を刻む時計屋、観光客が大勢訪れている教会や寺院。港風景…、心が和んでいく。函館は素敵な街だ。
30分ほど歩いただろうか、十字街電停を過ぎると左手に坂が見えてくる。南部坂、二十間坂、大三坂と続くが二十間坂を登り、レイモンハウス元町店に到着。盛り合わせを1人前とコーヒーを頼んで2人でひと休み。私には少し脂が多いように感じたが、美味しくいただけた。
港を見下ろしながらの元町界隈散策を実は一番楽しみにしていた。面白そうな店を覗き込みながら少しずつ坂を下って、港へ向う。ゆっくり歩いているだけで海色の函館の空気に十分浸れる満足があった。
港に出たらヨットハーバーをのんびり見ながら散策と思ったが、すでに陽は函館山に隠れ、風も出て来て寒さが染みてくる。相棒と十字街電停で落ち合い、赤レンガ倉庫群へ急ぎ足だ。
クリスマスファンタジーのイルミネーション点灯式は午後5時過ぎから始まり6時に感動的な点灯と同時に花火が打ち上げられた、どちらも美しく感動的な……。レンガ倉庫にもイルミネーションが飾られ、どこを歩いてもいい雰囲気だったが、人が多過ぎて賑やかなだけでしたよ。
何となく物足りない気がする。次回は、レンガ倉庫を一望する所からの眺めを是非見たい。二十間坂もイルミネーションで飾られ歴史的な建物がライトアップされるという。きっと今回以上に感動的で素晴らしい思い出になるに違いない。何となく物足りなく感じていたのは、函館らしいイルミネーションが見られなかったからだ。皆さん、旅行前の情報集めは綿密にしとくのに越したことはありません。味わい方が全然違いますから。
寒さで長時間の見物は遠慮させてもらい、十字街の電停に向かった。見物人のほとんどが観光客ではないだろうかと思うくらい、観光バスが長い列を組んでいる。電車も超満員で身動きが取れないくらいだ。やっとの思いで函館駅前に戻り、近くの居酒屋へ転がり込んだ。函館を味わうなら魚だー。という事でホッケを注文したら、ホッケにも種類があって、それぞれ味が違うらしいのだ。島ホッケ(礼文産)、真ホッケ(羅臼産・近海産)、根ホッケ(近海産真ホッケの仲間)、縞ホッケ(北洋産)などなど。『食べたこと無いなら、今は島ホッケがお勧めだよ』と言われても、普段何ホッケを食べているのか知らないし、値段も結構いいお値段がするので躊躇していたが、空きっ腹に飲んだビールの勢いで、島ホッケを頼んでしまった。結論を言うと、このホッケ……瑞々しく油ものって身がとても柔らかい、びっくりする位美味いホッケだった。この時期、函館にご旅行の際は是非『島ホッケ』をご賞味あれ。
さて、楽しい会話も進み『函館に来て良かったよー』と夜は更けて行くのだった。続く予定。