横長のデザインをするときに往々にして間違っているのが,印刷の向きです。版下デザイナーでも間違っていることがあります。(横長のことを横位置と業界で呼びますので以下横位置(よこいち)と呼びます)
活版の先達に教わったのはこうです。
郵便葉書の表は縦位置にデザインされています。宛名も通常縦書きにします。左下をつまんで裏を横位置になるようにひっくり返して正しく読めるのが正しい。
パソコンのプリンターの基本設定はこれと同じになっています。
この理由は明瞭です。表が縦書きだから左からめくるのが当たり前なのです。縦書きは右から左へ読んでいきますから左をめくるんです。本の場合も同じで右を綴じて左をめくります。
漫画は右上から左下へ
ついでに言えば漫画の本も同じです。これは吹き出しの文字がたとえ横書きでも,駒割りは右上から左下に進めることになっているからです。
では通常の封筒を横にして宛名を横書きしたいときはどうしたらいいのでしょうか。
これは封筒を右に90度倒して使うのが正解です。なぜなら切手を貼る位置が同じだからです。消印を押す都合でしょうか。外国郵便もこの位置に切手を貼っています。
同様に自分で横位置のはがきを作るときは右上に切手が来るようにします。
尚,洋風に書くなら差出人は左上です。相手が日本人ならこちらの住所は漢字のままで「JAPAN」を付けて出しています。そのほうがお互いに分かりやすいと思います。相手が外国人だとアルファベット(ローマ字)で書かなくてはいけませんが,よくcityかtownかと聞かれます。返事を配達するのは日本人ですからAsahikawa-shiやBiei-choでいいと私は思っています。
ビジネス英文レター実例集(浦辺茂男著・ナツメ社)より
印刷物は縦書き横書きによって生ずる流れがあり,それに従って作っていきます。日本の新聞は縦書きなので右側に折り目(綴じ)があって,左をめくります。英字新聞は横書きなので左を折って右からめくります。ところが本文は横書き1段なのに右とじにしているものが見られます。これでは私にはどっから読んでいけばわかりません。思い切って英字新聞のように左綴じにすべきです。
参考
ポストカードを作る