田んぼや畑の脇に北海道自然歩道という道標はなんなのでしょう。
北海道は広いし,写真集や旅行雑誌で評判の場所にたどり着くのが大変です。これは道と呼んでいいのかと思えるような1車線の道を入っていかなければならなかったり,目印となる建物もないので,本当に正しい経路なのかもわかりません。人に聞こうにも人がいません。そのために道標をわざわざ公費で建てたのでしょうか。道筋や解説,キロ程も細かく記載されており,ただ者ではありません。
旭川の地図会社が作ったカーナビ用地図には幅の細い道路が記載されなかったために,本州での試験運転ができなかったというエピソードがNHKのプロジェクトXで放送されたことがありました。トモロウは,スタッフがただちに旭川に飛んだとナレーションし,到着した町の様子を表すバック映像は吹雪で一面白黒の旭川市街だったぁ。いかにドラマティックに演出しようとしているか見え見えになってしまいました。北海道だって太い道路だけでなく,車がすれ違うことのできない細い道もたくさんあります。そうか,あの特番はこうやって作られてるんだ。
横道にそれました。北海道自然歩道というのは何かの縁の地を歩いてめぐるコースのようですが,これが凄いんです。
この立派な看板はペーパンダムの21世紀の森にあります。が,文字が一杯書いてあって何がなんだかわかりません。「北海道自然歩道」「丘の道」「21世紀の森を目指す道」「コース案内 1日コース:森林公園を目指す道(分岐点)〜21世紀の森/14km(5時間)」地図は細かすぎてよくわからない。
まず「
この21世紀の森を目指す道」はキトウシ家族旅行村からペーパンの21世紀の森までを歩くコースのようです。キトウシからはもう一つ当麻森林公園までの道を設定していて「
森林公園を訪ねる旅II」としています。「森林公園を訪ねる旅I」はひがしかぐら森林公園からキトウシまで,「森林公園を訪ねる旅III」は当麻町森林公園から当麻ダムまでとなっています。この看板にある分岐点というのはこの「21世紀の森を目指す道」と「森林公園を訪ねる旅II」の分岐点のことなのでしょうか。
「丘の道」というのは「遙かなる山並みの道」(美瑛駅から東神楽森林公園まで)などを含めた未整備の富良野を含めた広大で多岐にわたるコースを指すようです。名称に丘とつけば美瑛を連想してしまうし,森林公園はあちこちにあって,まぎらわしい。
でも,ちょっと広大すぎます。1コースに1日がかり,しかも周回コースでないので帰ることも考えなければならない。バスも来ていないところもある。おまけに整備済みというのは道がきれいになって歩きやすくなっているという事でなく道標が建てられてということで,残念ながら途中に休憩所,公衆トイレ,売店はまったく考慮されていません。
どういう意図で作成しているのでしょうか。この道標をみるたびに疑問が沸いてきます。
タウシュベツ陸橋で有名な糠平湖は旧鉄道跡を中心に歩道が整備されました。以前地元の有志が作った地図を買って突撃しましたが,雑木林や川に阻まれてあえなく中断した経験があります。近頃は歩道も橋も階段も案内板もトロッコまでも整備されました。ここも北海道自然歩道
C7東大雪の道として登録されています。ここは道路整備の跡がありますが,地元の運動にのっかった感が否めません。
秋らしくなりウォーキングに最適な時期になりました。もっとも,ファンの方々は年中ウォーキングされているとは思いますが。ウォーキングというとメタボ対策だけではないんです。数時間かかる立派なレクリエーションになっています。
JRでは
ヘルシーウォーキングという企画を行っています。JRの駅から周遊コースを歩いてもらおうというもので9月28日の上富良野ウォークでは,上富良野駅から見晴台公園,後藤美術館,日の出公園などを回って上富良野駅に戻るコース12km3時間半ということです。
日本ウォーキング協会というのもあるんです。「美しい道歩きたくなる500選」で選ばれた美瑛リフレッシュラインというのは白金インフォメーションセンターから模範牧場を経由して白金温泉でお風呂をもらって,インフォメーションセンターに戻ってくる16kmコースです。登りがあるので,ちょっときついですが,きもちのいいロケーションですね。
というわけで,ますます周遊しない北海道自然歩道の疑問が解けなくなってきました。