突然警察官が走り出した。全速力,途中で笛を鳴らし,赤信号で停車中の車を捕まえた。警察官は近くの交番の若い巡査で,コンビニに二人で弁当を買いに行った帰りのようだった。信号待ちで待っていたところ目の前を赤信号に飛びこんで右折した乗用車を走って捕まえた。警察官の後ろで信号待ちをしていた私たちはのどかな「若いおまわりさん」の顔つきが突然変わったのに驚いた。そして私の頭に蘇ったのは違反切符を切られたときの何とも言えない思い,突然犯罪者になってしまったあの思いが沸々と沸き上がってきた。
のどかな田園風景の中にパトカーが止まっている。おまわりさんがのんびりと近所を巡回しているな,のどかだなと思っていては大間違い。普段どんな阿漕なことをしていようと,そこだけでも法規遵守の善良な市民にならなければならない。ということは法規をよく知り自分が普段やっていることは違法なのだとよくわかっていないとならない。そうでないと思わぬことで捕まって「運転手さん,なんで止められたかわかりますか?」などと言われてしまう。阿漕な人は何が悪いかよくわかっているので,警官を見たらすぐに違法行為を是正でき,何食わぬ顔で行ってしまう。私のような善良な人は自分は決して違法なことはしていないと思っているので,警察官がいるにもかかわらず,平然と違法行為を行い,まんまと罠にはまってしまう。
なんと言っても弁解は効かないのがこの世界。文句があるなら裁判所へ。切符だけで済むんだからこっちの(文句言わないで認めた)方がいいでしょ。速度制限なし(=60キロ制限)を走っていて40キロ制限の市街地に入るときはまるで罠のようにレーダーが待っていた。まだ正義感(?)の強かった20歳台に,取り締まり警官に食ってかかたっら,簡単に放免になったが,あとでしっかり裁判所から出頭命令がきた。中年の小母さんが「まけてよ」と値切っていたが,それも同じ運命になるにちがいない。
とはいうものの捕まったときの何とも言えない気持ちは二度と味わいたくない。最近も免停の上路上教習を無事終えた私は,それから制限速度を意地でも守ることに徹した。すると走行速度自体が下がり,すなわち追い越ししたい衝動も少なくなった。郊外でぼおっと運転していることも多い私だが,その時の速度が50km。これでは速度違反にならない。
セールスマンをしていた時,何度も通ってようやく他社の契約を破棄させて新規契約を取ったすぐ後,一時停止違反で捕まった。徐行で入った道に警察官が待っていたように立っていた。嬉しかったことが大きかったので,素直に従ったが,達観するこの頃,できるだけ歩くようにしていると一時停止が守られていないため,歩行者にとっては極めて危険だと言うことがわかった。
歩道を歩いていると,小路から車が勢いよく飛び出してくる。歩道を歩いている私は完全に無視される。一時停止の表示があるのに,徐行するんだが,そのまま行ってしまうのは完全な一時停止違反,そんな車も多いが,さらに多いのは歩道の無視,つまり停止線の無視。一時停止は歩道の手前に書いてある停止線,または一時停止の表示の手前で完全停止しなければならない。それから徐行して進み,安全を確認して交差点に入る。安全を確認できればいいんだから交差する相手の道路がよく見える位置まで進んで止まればいいと言うかも知れない。それでは歩道を歩いている歩行者をはねてから一時停止することになる。結局,停止線で停止,安全確認,徐行,再度停止,安全確認と,一時停止は二度停止を求めている。
自分なりの基準速度を下げると追い越しされることが多くなった。毎日私をはみ出し追い越しするおねえちゃんがいるが,私は速度を保ったまま,毎日ストーカまがいに後ろを付いていくことになる。つまり追い越しをしても殆ど変わらないということだ。もっとも彼女にしてみれば,追い越した親爺が後ろからすっとついてくると思っているだろうが,私はスピードも上げず,追い越しもせず走っているだけなので,どうしようもない。
車はさほどのテクニックを必要としないでスムーズに走らせることができる高度な道具だ。あたかも自分が高度なテクニシャンになったかの錯覚を覚える。自分をよく知らない人はどんどんエスカレートして,対向車がなければ追い越しするのが礼儀とさえ思っているのではないか。ところが,カーブの手前や小さな橋の手前など対向車は隠れて見えないだけなのに,「いない」と判断して追い越していく奴がいる。自分だけ橋にぶつかって死んで頂くのは結構だが,他の人を巻き添えにするのでやめてほしい。交差点内もはみ出し追い越しはできないから町のなかでは殆どはみ出し追い越しはできない。追い越しはできないものだと達観すればなんのことはない。自分なりの基準速度を下げて悠々と走っていれば,ぼおっとして40kmのところを70kmでつかまって裁判所に呼ばれることはないと,この頃思っている。
こうして,視点が変わると見えてくることがある。横断歩道で歩行者が待っていても止まったことがない。都会では信号のない横断歩道はほとんどない。が,ちょっと郊外にはある。その横断歩道で横断しようと待っている人がいたら横断歩道の前の停止線で停止しなければならない。私の家の近くの道道では誰も止まってくれない。堂々と車が走り去っていく。なんの躊躇もない。取り締まれ!
郊外によくある,信号の点滅。交通量が少ないので信号は休んでるから,気をつけていきなさいという意味だと,かつて私は思っていた。危険。赤信号点滅は一時停止,黄信号点滅は注意である。赤信号点滅でそろそろと交差点に進入していた私はよく生きていたものだ。嗚呼。
ついでに言わせてもらうと右側停車。
この標識がないと
右側に止められない。
これは郊外や住宅街に多い。右側に駐車というのは,相手車線に駐車することだ。これは駐車許可標識のあるところ以外は禁止だ。それはたいがい一方通行路にある。おまけに,ライト付けっぱなしで止められたら,まぶしくてたまらん。ヘッドライトは対向車がまぶしくないようにやや左向きになっている。右側に駐車されたら,ヘッドライトの光がはこちらに向けられる。体の向きを変えたら右左変わるじゃないかって? 体の向きを変えても,車の向きは変わらないよね。尚,偏見をこめていうなら小母さんたちは道路の中央にとめて,ドアを開けたままごそごそと何かをしていることが多い。気をつけてね。
はてさて,あちこち飛んでしまったが,旭川には一方通行がとても多い。で,逆進してくる車も多い。
進入禁止の札を知らないようだ。一方通行路に堂々と入ってくる。免許更新の講習で再確認させたらどうだろうね。
ではここでクイズ。次の標識の正しい意味はどれ? 解答は
こちらを参照してください。全然わからん人は
こちらで勉強し直してください。
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1.駐車禁止 2.一時停止 3.車両通行止め | 1.横断歩道 2.規制解除 3.車両進入禁止 | 1.左に寄れ 2.左折禁止 3.右折禁止 | 1.通行止め 2.Uターン禁止 3.駐停車禁止 | 1.子連れ専用 2.子連れ可 3.歩行者専用 |
思いつきばかりですが,書き連ねました。とろとろ走ってる私を見て,「バカ,アホ,ノロマ」とののしってもいいので,急に割り込んできたり,無理に追い越していったり,後ろから煽ったりしないでくださいね。