山登りの真似を始めて2年目の冬、スノーシューが面白くて嵐山の中を1人歩き回ってました。ある日、嵐山が朝焼けの光で金色に輝く姿を見て、雪の大雪山ではとんでもない景色が見れると思っちゃいました。しかし、山登りの真似程度の知識と技術と体力では、冬山はハードルが高過ぎます。諦めきれずに調べていると、旭岳スキーコースをスノーシューで登れば天候次第で姿見駅まで行ける事が分かりました。
2006年1月、単独で挑戦します。
自分の体力、能力は棚に上げておいて凄い眺めを期待して、上級者コースを登ります。途中の急斜面の登りが大変きつく何度も休みながらひたすら登り続けました。一体どれだけの雪の量があるんだって言うくらいの広大な雪の世界。聳える旭岳は、ただただ白くとてつもなく大きかった。聞こえる音は風の音、雪を踏みしめる音、呼吸する音。冬の大自然の中に浸りきった感動の1日でした。
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自ら体験した感動は伴侶にも分けてあげよう。2年後、気乗りしない奥さんを何とかその気にさせて再挑戦。チャンスは2月の連休初日にやってきます。
2008年2月、旭岳山麓駅前の駐車場を午前9時にスタート。空は綺麗な青空。風もなく気温高めです。
夏の登山用具に防寒具が増えるので大きめのリュックを背負い、暫くは周りの樹氷と滑り降りてくるスキーヤーやボーダーを見て楽しみながら暖かい日差しの中、コースの端をゆっくり登って行きます。
カメラを片手に歩いて降りてくる人もいましたよ。
登り始めは体が慣れていないせいか、汗の量が増え非常に苦しい。小休止を繰り返しながら、体を慣らしていくしかありません。雲一つない天色の青空と真っ白な雪は眩しすぎます。
時々鳥の鳴き声や、木々から落ちる雪の音が聞こえるくらいで雪を踏む「ギュッ ギュッ」という音と呼吸する音が聞こえるだけ。とても静かだから、相手の声が浮き上がって聞こえてくるようです。きりりと冷えた空気がとても気持ちいい。
この絶景をご覧ください。