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右綴じか左綴じか

 本の製本を右を綴じるか左を綴じるか迷う人は少ないのですが,断定的に間違っている人や,その理由をわかっていないために妙な本が出来ていることがあります。 複写機では右綴じのことを左開き,左綴じのことを右開きと言っているようです。どこから来たんでしょうか。

本文が縦書きなら右綴じ
本文が横書きなら左綴じ

 これは明快です。ところが,まぎらわしい内容の為にまちがっていることがあるのです。その例をあげます。

漫画の本は右綴じです

漫画の本 漫画は吹き出しの文字がたとえ横書きでも,駒割りは右上から左下に進めることになっているからです。もちろん例外はあります。左ページから右ページへ進めるにはコマ割りから変更します。

新聞は右綴じです,普通は

 印刷物は縦書き横書きによって生ずる流れがあり,それに従って作っていきます。日本の新聞は縦書きなので右側に折り目(綴じ)があって,左をめくります。英字新聞は横書きなので左を折って右からめくります。
 新聞記事のスクラップ集は右綴じです。新聞記事が縦書きで右上から左下に記事が流れているので,これをスクラップした本は右綴じです。解説は短いものなら横書きでもいいでしょうが,文章は縦書きにすべきでしょう。
 横書きの文章に小さなスクラップを入れたいときはスクラップはページの右側に配置すると違和感がありません。このときは本文が横書きですから左綴じです。つまり文字の流れを考慮するということです。
横書きコラムが多すぎ 往々にしてあるのが,コラム(横書き)の方が多くて,読んでいったら,次のページに進めない場合です。これは綴じをどうするかの前に編集方針の問題です。
 また,本文は横書き1段のページがほとんどなのに右とじにしているものが見られます。これでは私にはどっちから読んでいけばわかりません。思い切って英字新聞のように左綴じにすべきです。

縦書きの本に横書きの名簿は右綴じで

 名簿は横書きでも左上から右下に読むことより,1行単位で上から下への流れなので右綴じの本に右綴じで綴じるのは許容されると思います。ただ,名簿だけのときは左綴じにします。

縦長の本に横長のページをいれるには

 本は縦長でも図や表がどうしても横長になるときがあります。そんなときは流れを考慮して下図のように綴じます。
天綴じ
 こんな綴じ方をあいわプリントでは天綴じと呼んでいますが,外で通じるかどうかは定かではありません。だいたいこの綴じではページによっては地を綴じることになります。そのせいかまちがって逆さに配置されているのをよく見ますが,本の流れから考えてもやはり逆だと思います。
誤った天綴じ


複写機では右綴じのことを左開き,左綴じのことを右開きと言っているようです。どこから来たんでしょうか。


このページはメイリオをインストールしたパソコンではメイリオで表示します。私にはとても見やすい書体です。ただし,字体はVISTAと同じくJIS2004です。「飴」が旧字体になって苦そう!